音の伝達には大きく分けて2種類あります
音とは2種類よりなり立ちます、簡単にまとめて見ました
 

音源から放出される音が、空気中を伝わり届く音です
一般的に音源から距離が遠く壁や塀などの遮蔽物があることにより減衰し聞こえにくくなると考えられます
人の話し声やテレビの音等は、基本的に空気伝搬音だと言われています
マンションの場合、コンクリート壁によって空気伝搬音の多くは遮断されますが、想定以上に大きな声で騒いだり、テレビが壁に近すぎたりしてと言う理由により音が漏れると言う場合がよくあります
 

これは、いわゆる「糸電話」の原理と同じと考えられ、マンションの場合は、音源より発生した振動が床を通り壁や天井まで伝わり再び別の部屋の空気中へと音として放射されていという原理です
固体伝搬音は空気伝搬音に比べ距離減衰が少なく遠くまで伝わりやすいという性質を持ち、マンションで上下階や隣の音が聞こえるのはこのためであり、楽器の演奏や子どもの走り回る足音が気になる場合は、固体伝搬音の対策が不可欠です
その他、マンションの建物内ではエレベーターのモーター音や給排水の音も固体伝搬音に該当します

マンション内でピアノ等の楽器演奏をしたり、オーディオやホームシアターなど大音量で楽しみたいとお考えであるならば、しっかりした構造・性能の防音室がおすすめであり、防音室内にて演奏することにより、ご近隣の方々への音に関するご迷惑もおかけすることもなくなるのではないでしょうか？同時に、自身も演奏や大音量でのオーディオやホームシアターのお楽しみ方も変わり、お互いのストレスも軽減されるのではないでしょうか？

防音室は振動を伝搬させないような防振構造が必要不可欠となります
その他に音が抜ける場所 （空調・照明・電源等）を抑制処理もしていきます、ここに経験と技術力が求められ試される点でもあります
お客様型の中に勘違いされる方がいらっしゃるのは、「消音タイプのピアノなので大掛かりな防音室は必要ないのではないか？」という考え方をお持ちの方もいらっしゃります、確かにピアノの音はヘッドフォンから聞こえるため、お部屋に響くことはありませんが、音を消していてもペダルの踏み込む音（振動）までは止めらることができません

また、打鍵の振動がピアノ本体の脚を通じ床に伝わることもあります、電子ドラムなども同様の場合があります、バスドラのペダルを踏んだ時やスティックで叩いた時の振動は、ボリュームを調節したりヘッドフォンを使用しても必ず床に伝わってしまいます、他に、チェロのエンドピンを伝わる音や振動、エレキギターのアンプより発生する音と振動も注意しなくてはなりません
この振動が固体伝搬音となり別の部屋まで伝わってしまう訳です
マンションの場合、戸建住宅との違いは、上下階や隣に音や振動を伝えない仕様が前提となることです
ユニットタイプの防音室は、防音室から床に伝わる固体伝搬音までを十分に防音することができないのが事実です、マンションでの高い性能の防音室をお望みならば、迷わずBOX型の防音室工事をおすすめ致します

ペットが大きな声で鳴いて（吠えて）しまうと、ペット可のマンションとは言えどもお隣に迷惑をかけていないか心配になります、特に朝や夜中はマンション内も静かですので、余計に飼い主としては気になるところです

しかし、飼育頭数が多い場合や、大型犬の鳴き声の場合はしっかりした防音対策が必要となります

吸音パネルはマンションのお部屋の中で響く音を抑えるには効果的ですが、防音の効果は十分とは言えないかも知れません、また、商品により性能にもばらつきがあることも確かです、吸音とは、防音するための手法の一つであり、「吸音」するだけでは十分な「防音」とはなりません
大きな鳴き声の場合、遮音補強と言い壁の厚みを増し、壁に空気層を設けグラスウールを充填するなどの方法が有効的です
どの程度の防音対策が必要なのか？具体的にイメージすることも重要ですが、何より大事なペットが、マンション暮らしによりストレスを感じ無駄吠えしたりひどく鳴いたりしないよう散歩やしつけ、スキンシップなどのたっぷりと愛情を注いであげることが一番でしょう

子どもの走り回る音は「重量床衝撃音」と言い、スプーンを床に落とした時などの音や椅子を引きずる音、スリッパ歩く足音は「軽量床衝撃音」と言います
マンションの販売カタログで「L値」という数値をご存知の方も多いかと思いますいわゆる、L値とは、床衝撃音の防音レベルを表す数値であり、数字が小さいほど遮音等級が高くなります
まれに、「LL」「LH」の表現も見受けられますが、それは「軽量（Light）床衝撃音」「重量（Heavy）床衝撃音」の頭文字を添えた表記となります
軽量床衝撃音の簡単な防音対策としてコルクマットやタイルカーペットを使用することが有効的です、汚れや傷みの部分に張り替えることができ布地やコルクなど素材や色も様々でありお部屋のインテリアに合わせ選ぶことができます
 

しかし、子どもの足音などの大きな振動を伴う重量床衝撃音が気になる場合、マンションの床に対するリフォームが必要となります、ゴム製の防振材を使用しフローリングを張り替えることで二重床にする方法などがあります
また、音圧の高い楽器を演奏する際、防音室並みの遮音性能が求められた場合、床にグラスウールを敷き上にコンクリートを打設したりする方法もあります
マンションの床の工事はどうしても工期やコストがかかりますので、目的と程度に合わせ防音対策を考えましょう

電車の線路や幹線道路が近い、繁華街が近いくマンションの外の騒音に悩まされている方も多いと思います
外からの騒音の多くは、窓などの開口部から入って来ています、そのために現在の窓を防音サッシに取り替え、内窓（インナーサッシ）を追加する方法が有効だとも考えられますが（一般的に外窓はマンションの管理規約によって共用部分となり取り替えが認められないケースが全般的です、これにより、マンションは内窓の追加で対策をする方法が主流とされています）内窓を追加することにより、防音対策だけでなく断熱効果の向上も見込まれます
しかし、自動車のアイドリングの音やドアを勢いよく閉める音には低周波が含まれ、これらを防音するとなるとサッシだけでは不十分なのです
壁の補強や場合によっては部屋をマンションの躯体から離した浮構造にして振動伝搬させないような必要性も出てきます、寝室などお部屋を全体的に防音室にしてしまうという考え方です

気になる音の正体が何か？原因を明確にし、適切な防音対策をしなくてはいけません、この部分を間違って解釈してしまうと、高いお金を払って工事した結果、、全く防音できていない、ということになってしまいます、マンションの騒音対策をする際は必ず原因調査・特定できる防音専門業者を選び相談して見ましょう、ただし、過度な騒音やマンション共有スペースからの騒音と考えられる場合は、まずマンションの管理組合にご相談することが第一かと考えます、個人で対策する以外の解決方法があるかも知れません

防音は目的をハッキリとさせましょう
最初に防音したい音は何なのか？その音や振動がどのくらいの状態ならば良いのだろうかをイメージしましょう
床だけなのか？壁だけなのか？ドアだけなのか？などの部分的な工事では、十分な防音効果を得ることができません、工事した部分以外の遮音性能が弱い箇所があると結局そこから音が漏れてしまうのです
ですので高い遮音性能を求めるであれば部屋を全面的に工事し、防音室にしてしまうことが必要となります
 
賃貸マンションでも防音室は可能
賃貸マンションだからと言って防音室をあきらめる必要はありません
賃貸マンションであっても、貸主の同意・許可があれば防音室を作る工事を行うことは可能です、ただし、賃貸マンションの場合は原則として原状回復義務がありますので、退去時には原状回復工事が必要となます、その際の費用も考えておかなくてはなりません
 
分譲マンションは管理規約の確認を
分譲マンションも、好き勝手に工事が認められるわけではありません、防音室に限らずにリフォームや増改築をする際は必ずマンションの管理規約の確認が必要となります、マンションの管理規約に基づいて工事を行わなければいけないので、管理組合への届け出が必要となり、窓や配管などはマンションの共用部分にあたるため、原則としてリフォームすることはできません

防音室以外のリフォームをお考えならば
防音室以外も、お部屋の増改築や水廻りのリフォームなどをお考えの場合は、防音室工事と同時に進めた方が諸費用や手続きが一度で済むこともあります
 
耐荷重について
防音室には非常に重い建材を使用します
音とは空気の振動なので重いもので振動を止めると言うとイメージしやすいと思います、 遮音性能を高くすればするほど、床や壁に重い建材を使用することになります
一般的に、住宅の床の耐荷重は約180㎏/㎡です、それ以上の重量には耐えられませんので床が抜けてしまいます、最初から防音室などの重いものを設置する想定で耐荷重を特別に高く設計されている部屋でない限り防音室の遮音性能にも限界があります
標準的な仕様のピアノ室やオーディオルームであれば問題はありませんが、ドラムなど打楽器系の防音室は非常に高い遮音性能が必要で、その遮音性能を確保するため必要な建材の重量は600～700kg/㎡にもなり一般的なマンションの耐荷重ではとてもドラム防音室に対応できないためにマンションのドラム防音室の場合は荷重のかけられる1階への施工が基本です
 
工事前の挨拶について
防音室の工事中、大きな音やホコリ、建材搬入でマンションの入居者の方々に迷惑をかけてしまうこともあります、工期や大きな音が出そうなタイミングを確認し、上下階や近隣へ挨拶を済ませておくことが大切です
工事用トラックの駐車場も、基本的には工事会社が確保するものですが、ご近所トラブルにならないよう駐車場所を事前に確認しておくことも大事です
マンションに防音室を作る場合、戸建てのリフォーム以上気をつけなくてはいけない事もたくさんあります
価格だけで判断し、期待通りの遮音性能が実現せずトラブルになることのないよう、防音室の工事は必ず実績のある専門業者に依頼しましょう
マンションに防音室を作ることで音の問題が少しでも解決され、みなさまが快適な空間を手に入れることができますように弊社もご協力させて頂きます